マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

リモート・プレゼンテーションで四苦八苦

リモートでプレゼンテーション

先月JICAから「第三国研修」の講師の依頼があった。 第三国研修とは、開発途上国の研修機関が別の開発途上国の人々をまねいて行う研修会である。 今回は、アフリカの国々を対象としたマレーシア主催の研修で、テーマは「カリキュラムと教科書」である。 使用言語は英語。 リモートで英語というのは不安に感じた。 準備期間が1ヶ月ほどあったので、スライドと講演原稿を準備できた。

プレゼンテーション実施

9月26日、プレゼンテーション当日。 朝からそわそわしていたが、プレゼンは午後3時半からで、まだ先だ。 時間つぶしにいろいろな事をした。 直前すぎるが、英語の勉強。 プレゼン原稿の読みの練習。 その他、気を紛らわせるいろいろ・・・ はじめは、なかなか時間が進まないと思っていたが、物理的には確実に時間は過ぎていく。

開始20分前にZOOMに接続し、準備を始めた。 参加者の集まりが良かったので5分前に開始。 プレゼンの内容を簡単に書くと、

  • 日本の高校におけるカリキュラム作成の実際
  • 生徒の実態に即した授業の実例

である。

第三国研修のリモート・プレゼンテーション

プレゼンテーションの自己評価

説明だけでなく、受講者の主体的参加を図りたいと思っていた。 結果的に全体の1/3程度が質疑応答と参加者の実技に使われた。 その点は良かったと思う。

難しかったのは、受講者の質問がなかなか聞き取れなかったことだ。 一口に英語といっても、様々なアクセントがある。 このことは最近は広く知られるようになっている。 なぜなら、最近のニュース番組では語り手本人の英語をそのまま放送することが多いからである。 実際、たくさんの発音とアクセントがある。 それを言い訳にするわけではないが、研修会での質問は全然といっていいほど聞き取れなかった。 リモートのプレゼンの最大の難しさはそこにある。 今回は現地の方のサポートで何とか切り抜けることができたが、参加者の表情からはあまり満足していない様子が見て取れた。

また、質疑応答で感じた難しさのひとつは、バックグラウンドの違いだ。 例えば日本では大学に入学するには難しい入学試験をパスしなければならない。 しかし、外国では高校の成績、推薦状、面接で合否が決まるケースが少なくない(らしい)。 それで、日本の高校の中には受験準備のための演習を多く取り入れている学校があるというのが、良く理解してもらえなかったようだ。 つまり、学校教育は受験のためというのが日本、将来のキャリアを準備するため、というのが外国、ということだ。 その前提が理解できてないと、日本における教育も理解ができないのだ。

今後へのつながり

今回のプレゼンが成功だったのか失敗だったのかは参加者に聞くしかないが、残念ながらその手段がない。 しかし、自分にとっては、今後のボランティア活動(数学教育)のための貴重な経験になったことは間違いない。 派遣まで約1ヶ月に迫ってきたが、残り少ない時間も有意義に過ごして派遣当日を迎えたい。