マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

テセレーション

セカンダリーの生徒(タイ)対象のワークショップ

ザンビアからマレーシアに戻ったのが3月4日未明で、その日から出勤した。 というのは、すぐにタイからのセカンダリーの生徒のワークショップがあったからだ。 「テセレーション」(この記事後半で説明)について2時間のワークショップを行ったが、予想通りには進まなかった。 トピックが難しかったのか、あるいは英語のコミュニケーションが上手くいかなかったのかもしれない。 それでも最後の会で、生徒代表がワークショップの感謝の言葉を述べた時に、テセレーションにも言及してくれた。 優しい生徒たちだったと思う。

岡山大学の先生を招いてのワークショップ

その翌週は岡山大学の先生を招いてのワークショップだった。 テーマはSTEAM。 この言葉はScience, Technology, Engineering, Art, Mathematicsの頭文字を組み合わせたもので、それらの分野を総称した教育の考え方だ。 私も1コマ2時間のワークショップを担当することになったので、再びテセレーションを扱うことにした。 前回の反省をもとに、スライドも詳しくした。 対象がカレッジの先生だったので、その点、参加者の理解力は高い。 しかし、必ずしも数学専門ばかりではない。むしろ理科の先生の方が多かった。 そのような先生は、おそらく「閉曲線」を良く知らない。 それを簡単な説明で済ませたのが、まずかった。 そこでつまずいてアクティビティーが上手く進まなかった参加者が少なからず出てしまった。

テセレーションに再挑戦

翌週は、再びタイからのセカンダリーの生徒のワークショップがあった。 もう一度テセレーションをとりあげ、前回までの反省点を改善してみた。 今回はまあまあ満足できる結果で、参加者が美しいテセレーションを完成できた。

テセレーションのワークショップ

テセレーションとは

さて、テセレーションとは何だろうか。 別名タイリングともいうが、同じ図形を平面上に敷き詰めたものをいう。 正多角形でタイリングする場合は正三角形、正方形、正六角形のいずれかを用いるしかない。

正多角形のタイリングは3種類

正多角形でない多角形ならば、いろいろな図形がタイルになりうる。 長方形、ひし形、平行四辺形、任意の三角形はテセレーションのタイルになる。

平行四辺形と任意の三角形によるテセレーション

平行六角形、任意の四角形、平行六角形を二等分する五角形もタイルになる。

平行六角形、任意の四角形、平行六角形を二等分する五角形

長方形のテセレーションをもとに、新たな図形でテセレーションう作ることができる。

長方形から新たなタイルを作る

左の図のように、長方形の右から青い図形を切り取り、左にくっつける。 すると右の図のような図形ができる。 左側の凸部分は右側の凹部分とぴったりくっつくから、横に並べれば一行のテセレーションができる。 それを上下にさらにつなげて平面を埋め尽くすことができる。

新たな図形のテセレーション

この他にもいろいろな方法でテセレーションを作ることができる。 次のテセレーションは正四面体から作ったものだ。

鳥のテセレーション

日本テセレーションデザイン協会のホームページに優れた作品が公開されているので、興味を持たれた方はご覧になってください。