マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

ワークショップ見学

12月2日

配属先

JICAボランティアは途上国の組織の中で活動する。 その組織は学校であったり政府や州の機関であったりする。 それを「配属先」という。 私の配属先は「理数教育センター」といい、東南アジアの理科、数学教育の向上を目指している。

理数教育センターの中庭

職員は「スペシャリスト」と呼ばれる理科数学の講習担当の他、企画運営担当、IT担当、宿泊担当、事務方などに分かれる。 私は数学のスペシャリストとして活動する。

ワークショップ

11月29日と12月1日にタイの中学3年生を対象としたワークショップがあった。 今回は講習の担当から外れているので、まずはどんなものかを観察することにした。 講習の1コマは2時間で、2日間で各生徒は4コマの授業を受ける。 ワークショップのテーマとしては、STEM(ステム)やProblem Solving(問題解決)などが掲げられていた。

※ 私見であるが、それぞれを説明しておくと、STEMとはScience, Technology, Engineering and Mathematics(科学、技術、工学、数学)の4つの頭文字をとったもので、それらを総合的に学び、科学技術の発展に寄与できる人材を育てることを目標にしている。問題解決は、物事に取り組むときにその課題(問題)は何なのかを明確にし、その問題の原因となっているものは何かを突き止め、最終的に問題を解決することを指し、それを教育に活用しようというもの。いずれも生徒が受け身の教育から能動的な教育を目指しているものといえる。

自分などは、目の前の生徒の理解が進むように、ということだけを考えて授業をしていたので、このような理論の裏付けがあったわけではない。 しかし、逆に理論だけでは実際の教育現場は進まないことも確かだと思う。

ワークショップを担当された先生方の授業は、

  • 水の流れを止める方法を考える(モデルとして、「家を水害から守る」ことを課題にした)
  • 体の様々な部分を計測し(身長、体重、両手を広げた長さ、などなど)、そこから法則性を見つける
  • 実験。ストローで作った笛と音程、紙をたたんで小さくする方法(宇宙船がパネルを運び、宇宙で広げるときに使われる)、竹とんぼと空気の流れの考察、ペットボトルロケットと運動量保存の法則

であった。

肘の長さを計測する生徒たち

それぞれ、生徒の活動が組み込まれていて、能動的授業を目指しているのだと感じた。

自分らしいワークショップのありかたとは?

私は1月にワークショップを担当する。 今回のワークショップの見学は大いに参考になった。 だが、自分の高校教員としての経験などを、どうワークショップに生かして組み立てていけば良いのか? それが12月の課題になる。