マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

セカンダリースクールの生徒対象のビッグイベント

配属先では、先週、SSYSという大きな催しがあった。

SSYSとは

SSYSは「Search for SEAMEO Young Scientists」の略で、日本語にすると「SEAMEO各国からの若い科学者の発掘」とでもいうような意味かと思う。 SEAMEOは日本語では「東南アジア教育大臣機構」といい、東南アジアの11か国が加盟している。 ASEAN東南アジア諸国連合)加盟国は10で若干のずれがあるが、それは東チモールである。 同国はSEAMEO加盟国だが、ASEANにはまだ入っていない。

SSYSはSEAMEO各国のセカンダリースクールの生徒を対象に、理科数学の研究発表をする大会である。 優秀な発表には賞金も用意されている。

第13回SSYS

先週のSSYSは第13回のSSYSで、生徒と引率教員などで約500名の参加があった。 非常に大きなイベントである。 テーマは「ワン・ヘルス」で、それは次のような考えだ。

近年コロナウイルスのように、動物のウイルスが人間にも感染することが問題になっている。 これは、開発などが進み、人間社会と動物の棲む自然が近づいてきて起こったものである。 そこで、人間の健康だけでなく、動物の健康、自然の保全、そして人間と動物の棲み分けなどを考えていく必要が出てきた。 この考え方をワン・ヘルスという。 このテーマでは医療、環境、動物など様々な視点が可能なので、多様な研究発表が可能であり、実際に多様な発表が行われた。

5日間の日程だが、メインになっているのは月曜から木曜までの4日間で、この間に各グループの発表と審査がある。 審査結果は木曜日のクロージングセレモニーで発表された。

今回の最優秀賞はフィリピンのグループだった。 その他にも多数の賞があるのだが、受賞はフィリピンとマレーシアが多く、それに次いでタイだった。 全部の国に賞が与えられたわけではなかった。 ある意味、審査が客観的に行われたのかと思う。

ワークショップ

発表と審査の空き時間には、教員、生徒ともワークショップに参加することができる。 教員向けと生徒向けは別になっており、私は生徒向け、2時間のワークショップを受け持った。 内容はNimというゲームと、その戦略についてだ。 このゲームは日本では「三山崩し」とか「石取りゲーム」と呼ばれている。 このゲームには必勝法があって、それは数学やコンピュータで使う「二進数」が関係している。 ワークショップではゲームを楽しみながら、最終的にはその背後にある数学的な戦略を知るというものだった。

Nimのワークショップ

参加者からのアンケートではほとんどの回答が「非常に満足」だったので、自分としても嬉しかった。 興味のある人は、ワークショップのスライドをダウンロードできるので、以下のリンクをたどってほしい。

Hin Bus Depot

Hin Bus Depot は、ジョージタウンのランドマークであるコムター(高さ231.7mの円筒形の高層ビル)の南側約300mに位置する。 アーティストの集まる場所、ということだが、よりイメージを持つにはそのウェブサイトを見るのが良い。

上記はビジターガイドのページだ。 その他にHin Bus Depotの歴史、店舗などの情報もウェブサイトにあり、それら全体を見ることによって、どういう場所かが分かると思う。 百聞は一見に如かずで、現場に行くのが一番良いのだが、読者の皆様の多くは日本にいらっしゃると思うので、ウェブを紹介させていただいた。

もとはバスの停車場

Depotはバスの停車場のことなので、Hin Bus Depot はヒンという会社のバスの停車場という意味になる。 実際、以前はバスの停車場だったらしい。 そこを改装して2014年から芸術家の展示場、作品の販売所、カフェ、音楽の発表の場としてHin Bus Depot が始まったという。

Hin Bus Depot 入り口

アート・ギャラリー

入り口からは中が見えないような作りになっている。 入るとすぐにギャラリーがある。

Hin Bus Depot のギャラリー

小さいが素敵なスペースだ。 展示されている絵は、どんどん入れ替えられているようで、しばらく前に行った時の絵ではなかった。

マーケット

Hin Bus Depotはウィークデーも開いているが、マーケットのある土日の方が賑わう。 特に日曜日はお店、お客の両方において最も賑わう日だ。 実際、土日の両方に行ってみたが、人の多さが全然違う。 行くなら日曜日がお勧めだ。

Hin Bus Depot のマーケット

ギャラリーを抜けると、中庭のようなスペースに出る。 そこにテントが張られて、小さなお店がたくさん出ている。 入り口に近い方の店は、手工芸品のお店で、バッグ、服、雑貨など、ハンドメイドのものばかりだ。

雑貨のお店

かわいいバッグのお店

小物のお店

ニコンサート

日曜日には、ミニコンサートも開かれている。 動画は短いが、雰囲気は分かっていただけると思う。

マーケットのフードのお店

奥の方には食べ物を提供するお店もある。

Hin Bus Depot のフード・マーケット

店員さんの服装や帽子がかわいくて、Hin Bus Depotのイメージにぴったりだ。

ドリアン初挑戦

ペナンは果物のドリアンが有名だ。 そして、6月から7月がドリアンの旬である。 つまり、今がドリアンの季節なのだ。

ペナンにはドリアンで有名なお店はたくさんあるが、今回職場の同僚とアイル・イタム(Air Itam)のドリアン・ストリート・ストールに行った。 この場所は以前イルミネーションで紹介した極楽寺のすぐ近くになる。 いくつか店がある中で、今回は次の写真の店にした。 警察署のすぐ近くの店だ。

ドリアンの店

お店のバナーによると、バリク・プラウ(ペナンの中央やや西寄りの地区)で取れたドリアンらしい。 種類があるようで、厚紙に名前が書かれていた。

ドリアンと名前の書かれた厚紙の札

名札の「猫山王(Musang King)は最も高価な品種で、今回買ったものはRM114だった。

台に並ぶドリアン

この中から気に入ったドリアンを選んでカットしてもらう。 値段はいろいろだが、1個がRM60(60リンギット)からRM100程度。 小さいものだともう少し安いのもある。 しかし、屋台の食事がRM10前後であることを考えると間違いなく高価だ。

ドリアン

カットされたドリアンの黄色い部分を食べる。 中に大きな種があるが、それは食べられない。 ドリアンの特徴は

  • においが強い。これで嫌いになる人も少なくない。この強烈な匂いのために公共バスでは持ち込みが禁止されている。
  • 中が柔らかい。クリーミーと表現する人もいる。確かに生クリームのような食感だ。
  • 栄養価が高い。カロリーが高いだけでなく、様々な栄養素を含んでいる。

ドリアンは「果実の王様」といわれている。 ドリアンは、それを好きな人と嫌いな人に二分する食べ物だそうだ。

ドリアンを食す

今回初めてドリアンを食べてみたが、自分は好き嫌いの真ん中よりやや好きに近くになると思う。 食べた後は手がベトベトなので、水であらうのだが、店の人が「No wash, No wash」(手を洗うな、洗うな)といっていた。 もちろん、もっとドリアンを買って食べてよ、という意味のジョークだ。

国王誕生日の祝日

6月3日

今日はマレーシアの王様の誕生日で祝日だ。 公式には、マレー語で「Hari Keputeraan Seri Paduka Baginda Yang di-Pertuan Agong」(国王陛下誕生日)という。 この言葉の最後にある「Yang di-Pertuan Agong」(ヤン・ディプルトゥアン・アゴン)が国王のことで、短くアゴンということもある。

マレーシアの王様

マレーシアの王様の決め方は世界でも珍しいと言われている。 マレーシアの13州のうち、9つの州には王様(スルタン)がいる。 ちなみにペナン州には王様はいない。 そのスルタンが集まって会議をして、マレーシアの王様であるアゴンを選出する。 これは慣例的に輪番である。 そして任期は5年。

現在の国王は、ジョホール州のスルタンで、名前をイブラヒムといい、第17代国王だ。 即位は今年の1月31日。 任期が5年なので、次回は2029年に新国王が即位する運びになる。

マレーシアには議会、首相、内閣があり、政治制度は立憲君主制だ。 国王の権限の行使は、基本的に内閣の助言によって行われる。 しかし、近年は政治が不安定化する中で、国王の影響力は大きくなっているという見方もある。

国王誕生日は本当の誕生日?

実はイブラヒム国王の本当の誕生日は11月22日である。 では、なぜ6月3日が国王誕生日なのか? それは、国王誕生日の祝日を6月にすることを法律で定めているからだ。

日本の天皇誕生日は、天皇が変わるごとに変更されるが、マレーシアでは常に6月ということらしい。 これは日本人から見ると珍しいように思われるかもしれないが、イギリスでも国王誕生日の祝賀行事は6月第3土曜日に行われることになっている。 現国王のチャールズ3世の誕生日は11月14日である。 したがって、国王の本当の誕生日と、祝日に定められる国王誕生日が違うことも、ままあるということだ。

ペナンの食文化(3)

ペナンのチキンライスを2種類紹介したい。

クレイポット・チキンライス

クレイポットは、日本でいえば土鍋がそれに相当する。 釜めしの釜と考えても良い。 クレイポット・チキンライスは米、鶏肉、卵などを入れて作った釜めしのことだ。

Claypot chicken rice

醤油ベースの味付けだ。 私は、職場から歩いていける距離のホーカーセンター(屋台街)で食べている。 同じお店でも味が濃いときと薄いときがある。 サイズが大小あり、小さいものが8リンギット50セン(RM8.50)だ。 小さいといっても、その量は昼ごはんには十分だ。

ハイナン・チキンライス

単にチキンライスといえば、これのことだ。 中国の海南島をこちらではハイナン(Hainan)という。 中国出身の方々は、そのルーツによっていくつかのグループに分かれている。 ペナンでは、福建、広東、潮州、客家、海南など、中国の南の出身者が多い。 チキンライスはマレーシアで広く食べられているが、そのルーツは海南島である。

ハイナン・チキンライス

チキンはローストとスチームドを選ぶことができる。 私はいつもローストを頼むが、それもいったん蒸してからローストしていると、だれかが言っていた。

ジョージタウンでたまたま見つけたお店は、海南島出身者の店で、新聞が壁に貼ってあった。

壁に貼ってあった新聞記事

記事の最初にはこう書かれている。

海南からペナンへ。 地元住民によると、中国人移民が持ち込んだ料理はマレーシアの方が美味しいという。

今では「チキンライスはマレーシアの定番料理」ということを記事にしたものだろう。

店主の話では、海南島は素晴らしいところだという。 確かに有名なリゾート地である。 ウィキペディアによると「中国のハワイ」というそうだ。

教員対象の研修会

私の配属先では、今月(2024/5)、大きな研修会を実施している。 定期コースと呼ばれるこの研修会は年に2回あり、今年は5月と8月に各4週間行われる。 今回の対象は主にセカンダリースクール(日本の中学と高校を合わせた5年間または6年間の学校)の教員だ。 ただし、教員養成のカレッジの先生なども対象になっているので、必ずしもセカンダリーの教員だけというわけではない。 参加者は数学のグループと理科のグループに分かれ、別々に研修する。

研修のテーマ

今回のテーマはアセスメント(評価)だ。 評価というと、学期末の成績のことを思い浮かべる人が多いと思うが、むしろ、今回の研修では、通常の授業の中で生徒の理解度を把握する評価の方がテーマである。 これを形成的評価(formative assessment)という。 この評価は、次の授業に活かすこともできるし、生徒自身がその評価を自分の学習に活かすこともできる。 その意味では学期末の成績に直結する総括的評価(summative assessment)よりも重要だともいえる。

ワークショップ

研修会のワークショップはスペシャリストと呼ばれるポジションの職員が分担して行う。 私は、数学のスペシャリストの位置づけでボランティアをしているので、ひとコマ2時間の枠を割り当てられた。 テーマは日本の授業における日常の評価をどのように行い、それをどのように次の授業に活かしているかということだ。 日本の数学教育は他国と比べてかなり違うらしく、参加者のフィードバックを見ると、好感を持って受け止められたようである。

定期コースのワークショップ

日本の数学教育の特徴

以下は、現地のいろいろな人に聞いて、私自身が考えたもので、あくまで個人の意見だ。 日本の数学、算数教育の特徴はいくつかある。

  • 生徒に考えさせる、とくに公式の背景にある考え方について意見交換をさせる
  • 練習をたくさんさせる。例えば小学校のドリルなど、特に計算練習が多い
  • 中学、高校では証明を重視している。そして応用よりも論理的な側面を強調することが多い

海外ではセカンダリーの後半に電卓を使うことが多い。 それは、数学を現実世界の問題に応用するときに、電卓を使った計算が必要になるからだ。 海外では応用面を重視しているといえる。

PISAという数学などの学力の国際比較があって、日本は上位に位置している。 これは日本のこれまでの算数数学教育の良い部分が表れたものだといえる。 したがって、私の今後の活動ではいかにその良さを東南アジアの数学教育にシェアしていくかが大事になると思う。

アイス・カチャング

アイス・カチャングはマレーシアのかき氷だ。

アイス・カチャング

アイス・カチャングにはバリエーションがあって、これは上にアイスクリームを乗せたもの。 アイス・カチャング・アイスクリームという。

アイス・カチャングの意味は?

アイス・カチャングはマレーシア語で、

  • アイス(Ais)は元々英語で、氷の意味。マレー語では綴りがローマ字的になる。
  • カチャング(Kacang)はマレー語で「豆」の意味。マレー語では「ca」の発音は「チャ」となる。また、最後の「グ」の音は実際は発音されない。

アイス・カチャングに相当する日本の食べ物は「氷小豆」になると思う。 アイス・カチャングの場合は豆が大きく、ちょうどお節料理の黒豆のようだ。 豆は甘く煮て、冷やしたもので、味は粒の残った餡子に似ている。

アイス・カチャングのバリエーション

アイスクリームを乗せるだけでなく、いろいろなバリエーションがある。

アイス・カチャングのメニュー

これはお店の看板のメニューだ。 いろいろなバリエーションがあるのが分かると思う。 右側にメニューが書かれているが、分かりにくいので、拡大してみた。

メニュー部分の拡大

フルーツを加えるバリエーションが多い。 バナナ、パパイヤ、マンゴー、ハネデューメロン、キウイフルーツ、ドラゴンフルーツがある。 熱帯の果物が多い。

最後にあるスペシャルというのが、アイスクリームにその日のフルーツ3つがついた豪華版である。

ペナンで生まれたアイス・カチャング

マレーシアは一年中暑い。 日本でも夏にかき氷は定番だが、マレーシアでも人気だ。 ウィキペディアによると、シンガポールブルネイにもアイス・カチャングがあるそうだ。 また、アイス・カチャングはペナン発祥のデザートだとも書かれている。