1月28日
しばらく前のことになるが、1月9日のワークショップについて書く。 対象はタイのセカンダリー・スクールの生徒だ。 セカンダリー・スクールとは日本の中学と高校をひとつにまとめた学校である。 参加した生徒の学年は日本でいうと中学2年にあたる。 30名前後のグループに2時間の授業を行い、それを3セット、計6時間の授業を行った。 1日で6時間は、教える側にとって相当ハードである。 このような時間割になったのは、翌10日からJICAボランティアの隊員総会があったためだ。
ワークショップのトピック
2時間がかなり長いので2つトピックを用意した。
- ハノイの塔
- 折り紙と正二十面体
結果的には分量が多すぎて、ひとつの授業でどちらかひとつしかできなかった。 簡単に内容を紹介する。
ハノイの塔
ハノイの塔はいくつかの円盤を右から左へ移動するパズルだ。 ただし、大きい円盤の上に小さい円盤をおくことは禁止。 最小の手数で移動することを目標とする。 ワークショップ用に作った動画をYoutubeに投稿したので、そのリンクを貼っておく。
参加者はパズルを解きながら、円盤が1、2、3・・・と増えていった時の最小手数を調べる。 そして、その手数を見つける公式を考える。 答えは次のようになる。
円盤の数 | 最小の手数 |
---|---|
1 | 1 |
2 | 3 |
3 | 7 |
4 | 15 |
5 | 31 |
参加した生徒は全員この数字を見つけていたが、さらに円盤がN個の時に最小手数が
になることを発見した生徒が少なからずいた。 生徒の洞察力には驚いた。 これをきちんと説明するには高校2年生の数列の知識が必要だ。 中学2年でその知識抜きで公式を発見したのは本当に素晴らしい。
この生徒たちは英語でコミュニケーションをとることもまあまあできて、優秀な生徒たちだったと思う。
正二十面体
折り紙で正四面体を作り、それを20個、糊で貼り合わせて正二十面体を作るというものだ。
写真右側がその正二十面体であるが、若干隙間が大きいことにお気づきだろうか? 実は、正確には正四面体をつないで正二十面体を作ることはできず、隙間が生じるのだ。 これを計算で証明することを最終目標にしていたが、正四面体の制作に時間をとられて、そこまでたどり着くことができなかった。
感想
7年ぶりに十代の生徒に授業をした。 若い世代を相手に授業をするのはとても楽しい。あらためてそれを実感した。
今回は初めてのワークショップだったので、うまくいかなかった点もあるが、今後に生かしていきたい。