マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

ザンビア出張

配属先が昨年9月に実施した第三国研修(アフリカのいくつかの国から研修生が参加)のフォローアップとして、ザンビアで研修会が行われた。 私も派遣メンバーとして参加したので、研修の様子やザンビアという国について書いてみたい。

ザンビア

ザンビアはアフリカ大陸のやや南に位置し、標高が1000mを越える高原で、比較的過ごしやすい気候だ。

ザンビア

図の赤い線が赤道で、ザンビアは南半球になる。

ペナンからザンビアの首都ルサカまでは、クアラルンプール、ドーハを経由して、飛行機に乗っている時間だけでも15時間、トランジットの時間も含めると丸一日かかる。 さらに、研修会の行われたセレンジェという町までは約400km、車で約7時間かかる。 移動だけで2日間という辛い日程だった。 写真は帰りに飛行機から撮ったドーハの夜景。美しい。

ドーハの夜景

3日間の研修会の後、首都ルサカに戻り、教育省の方やJICAザンビア事務所の方と会うことができた。 マレーシアの配属先とザンビアの連携を今後に生かす上で、貴重な取り組みだったと思う。 写真は教育省(の部局であるTESSやCDC)の建物。

教育省の建物

空の青さが美しいが、これはザンビアの特徴だと思う。 次の写真は車の移動中に撮った写真だが、空が水色になっている。 日本と違って、空の上の方は青、地表近くは水色になる。 これが雨季の夕方だと、紫などの色も現れるという。

一直線に伸びる道路

このように果てしなくまっすぐ伸びる道路というのも、日本ではなかなかお目にかかれない。

研修会

研修会は、マルコルム・モファットというカレッジで行われた。

マルコルム・モファット・カレッジ

研修会には4名が講師として派遣され、うち2名が理科、2名が数学だった。 参加者、講師ともに理科と数学に分かれ、それぞれ研修を行った。 私は3日間の研修の最終日に2コマ4時間半を割り当てられた。 タイトルは「問題解決による数学の指導」「問題解決の戦略と手法」というお堅いものだが、内容は実践的な5つの例をとりあげて、その授業をどう展開するかのディスカッションだった。 ザンビアの先生方が積極的だったので、ディスカッションは大いに盛り上がって、成功したと思う。

数学の研修会

日本の数学教育と比べると、ザンビアのそれは、より実践的(ザンビアの先生方はpracticalと言っていた)だった。 教え方に、論理的、実践的というものがあるとすれば、前者が日本、後者がザンビアということだが、この二つには優劣があるわけではない。 日本でも生徒の実態に合わせて、論理的に話を進める場合と、感覚的な理解を重視する(これをここでは実践的といっている)場合がある。 要するに、その場に応じた使い分けが大事なのだ。 このことはディスカッションであらためて気づかされたことで、収穫だったと思う。

セレンジェのセカンダリースクール見学

日本と違って、世界の多くの国では、中学と高校が一緒になっている。 この学校をセカンダリースクールという。 研修の翌日にセレンジェの町にあるセカンダリースクールを訪問した。 校舎が平屋で、ソロモンのセカンダリーに似ていると思った。 (私は2018~2020の2年間ソロモンでボランティア活動をした)。

セカンダリーの校舎

教室は似ていたが、生徒の服装が全然違う。 ソロモンは暑いので、制服はあっても、ネクタイやセーター、上着は着ていなかった。 ザンビアではネクタイ、ジャケットが多い。

セカンダリーの生徒たち

黒板には、びっしりと数学の説明や式が書かれていた。

黒板

後で聞いたことだが、ザンビアもソロモン同様、教科書の数が足りず、生徒に配布できないそうだ。 そのため、教科書を黒板に写し、それを生徒が自分のノートに写す、という方法がとられているらしい。 日本では児童生徒が教科書を自分の所有物にできるが、それがどんなにありがたいことかがわかると思う。

ザンビアの街並み

最後はザンビアの街並みや、面白いと思ったことを書きたい。

まず、スマホSIMカードが安い。 ザンビアの通貨はクワチャという。 SIMは1枚10クワチャである。 今日のレートだと、1クワチャが約6円。 ということはSIMカードは60円だ。 そして、2GB7日間のプリペイドの通信費が40クワチャ(240円)。 ちょっと変に思ったのは後で2GB7日間を買い足したとき、20クワチャ(120円)だった。 どちらも通信できたが、片方が半額なのはなぜ??? データ通信を購入できるお店は、電話ボックスのような格好をしている。

Airtelショップ

店に書いてある「Airtel」は通信会社の名前だ。

ザンビアの主食はシマという、とうもろこし(コーンでなくメイズ)の粉をお湯で固めたもの。 写真はカレッジで用意してくれた昼食だが、左側の白いのがシマである。 これは腹持ちが良くて、お腹がいっぱいになる。

カレッジで用意してくれた昼食

ザンビアの人はこれを右手で食べる。

ザンビアでは「ザンビーフ」と名付けられた牛肉がある。 これは、「神戸牛」や「松坂牛」のようなブランド名だと思う。

ザンビーフ

ルサカで最終日にザンビーフを食べることができた。 マッシュルームソースのステーキだ。 柔らかくて美味しい。 和牛と比べると若干劣るが、それでも十分美味しい肉だった。

ルサカからセレンジェまでの途中にところどころマーケットがある。 トマトやイモなどを売っている。 写真は車上から撮ったものだ。

道路わきのマーケット

こういう人の集まるところは本当にところどころであって、そのあいだは単に道と草原があるだけだ。 ところで、警察が車の検問をする決まった場所がある。 そういうところでは(車が徐行するので)かならずマーケットがある。 そして、物売りもたくさんいる。 男性もいるが、女性が売っていることが多い。

ブドウを売る女性

ブドウをプラスチックのケースに入れ、売り歩く女性がいた。 頭の上にいくつものケースを入れ、両手にも持って買い手を求めている。 ザンビアでは頭の上に荷物をのせる人を良く見かけた。 バランスを取るのが上手で、手で支えなくても落ちることがない。 頭に布を置いて安定させる人もいる。

ルサカのマーケットを歩いていて面白いと思ったのは、ウィッグのお店だ。

ウィッグ

マネキンの頭を使ってウィッグを整え、作るらしい。 ザンビアでは、ウィッグとエクステが流行っていた。