マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

マレーシアの言語事情

マレー語

マレーシアの公用語はマレー語だ。 私はマレー語超初心者で、あいさつ程度しか話せない。 もちろん、今後勉強しなければならないのだが、普段配属先で使うのが英語であるため、なかなか上達しない。

簡単なあいさつだけ紹介すると、

  • スラマット・パギ おはようございます
  • スラマット・テンガハリ こんにちは(正午から1時ころまで)
  • スラマット。ペタン こんにちは(夕方のあいさつ)
  • スラマット・マラム こんばんは

スラマットは「安全な」という意味で、パギは「朝、午前」、両方合わせて「安全な朝を」=>「おはようございます」になる。

ありがとうは「テリマカシー」、どういたしましては「サマサマ」 またねは「ジュンパラギー」 何となく響きがかわいいと思う。

なお、JTBのサイトに簡単なマレー語の記事がある。

英語

しかし、多民族が共存するマレーシアでは他の言葉も話される。 特に英語は、マレーシアがイギリスの植民地だったという経緯もあって、広く使われている。 英語はインターネット上の事実上の標準言語になっているし、留学や仕事で海外に行く場合も英語が便利であることから、普及している面もあるだろう。 これは日本でも同じで、学校で教えているのは主に英語である。 ただ、日本の中学、高校生で英語を話せるのはそう多くないだろう。マレーシアでは、多くの生徒が英会話できるのが、日本とは違う。

マレーシアの学校はマレー系、中国系、インド系などあり、使う言葉もそれぞれだが、セカンダリースクール(中学高校がひとつになった学校)では、理科数学などは英語で教えているそうだ。 すべての学校がそうなのかは分からない。 しかし、これはリーズナブルなことだと思う。 まず、教科書を他言語に書き直す必要がないし、生徒にとっては英語の勉強にもなる。 以前フィリピンの方から、フィリピンでは数学は英語で習うと聞いたが、同じシチュエーションだと思う。

ところで、こちらの英語の発音は日本で習うそれとはだいぶ違う。たとえば、駐車場のことをカーパークというが、カ、パッと聞こえるのだ。カードがカッ、スポーツがスポッとなる。これは中華系の人の英語の特徴だ。マレー系、インド系の英語にはこれとは違う独特のリズムがある。

ちなみに、日本では駐車場はパーキング・ロットと習うが、これはアメリカ英語で、カーパークはイギリス英語らしい。

中国語

その他に、中国語の方言、例えば福建の方言などを日常で話す人もいる。 これは北京の中国語(マンダリン)とは全然違うと福建出身の人が言っていた。 そして、彼らはマンダリンは分からないそうだ。

ペナン島では最も多いのが中国にルーツを持つ人だ。 福建、広東、海南、客家など出身ごとのコミュニティーがあり、ひとくちに中国人と括ることはできない。 それぞれのグループの中国語の方言があるらしい。 しかし、マレーシアで長く暮らしている人にとっては英語とマレー語の方が必要度が高いらしく、漢字が読めないという人もいる。 普段は英語を使っているという人もいた。

それでもホーカーセンター(フードコート)などでは、明らかに中国の言葉を話している人がたくさんいる。 私も見た目が中国人と変わらないので、食事の会計のときに、中国語(福建語?)で話されたことがあった。 そういうときは「Sorry?」などと聞き返すと英語に直してくれる。

タミル語

インドにルーツを持つ人はタミル語話者が多い。 インドは公用語がヒンディーだが、たくさんの言語が存在する。 タミル語南インドの言葉だ。 マレーシアにインド人が多いのは、イギリス植民地時代に労働者として連れてこられたからで、その人々は南インド出身者である。

日本の特殊性

振り返って日本について考えると、日本語だけで暮らしていけるのは、特別なことだと思う。多くの国では、言語や方言が複数あり、それらが全く違う。日本にも関西弁などの方言はあるが、少なくとも多くの単語は共通で、ほぼ、ひとつの言語であるといっていいだろう。ヨーロッパでは異なる国が陸続きなので、2または3ヶ国語を話せる人も少なくない。

こうしてみると、マレーシアの言語状況を知ることは、世界の言語状況を知る事につながるのではないかと思う。