ペナンでは、英語のコミュニケーションが結構多い。 これは、マレーシアの中でもクアラルンプールやペナンの特徴らしい。 地方ではマレー語一色というところもある。
ところで、マレーシアの英語は基本的にイギリス英語である。 日本の英語教育はアメリカ英語なので、エッと思うこともある。 さらに、マレーシア独特の英語表現もあり、マングリッシュとも呼ばれている。 今日はそのいくつかを紹介してみよう。
年月日
書類などで、簡略に年月日を書いても良い場合はスラッシュを用いることがある。 日本では、例えば2025年6月15日は、2025/6/15だ。 これが、イギリス英語だと、日、月、年の順になり、15/6/2025、または15/Jun/2025となる。 Junは6月Juneを短く3文字にしたもの。 アメリカ英語では、月、日、年の順なので、6/15/2025。 三者三様で、全部順番が違うので、本当にややこしい。
車・移動
駐車場はcar park。 アメリカ英語ではparking lotである。 しかも、こちらの人、特に中華系の人はrの発音が弱く、「カッパッ」というような発音なので、はじめは聞き取れなかった。 同じようにsportは日本ではスポーツだが、中華系の人は「スポッ」のように発音する。 最初はそれがspotに聞こえて、話がかみ合わなかったことがあった。
トラックはlorry、アメリカ英語ではtruckである。 日本語でもタンクローリーにイギリス英語が現れる。
ガソリンはpetrolである。「Petrol station」はガソリンスタンド。アメリカ英語のgasやgasolineはほとんど使われない。
エレベーターはliftで、アメリカ英語はelevator。 階数の呼び方もイギリス式で、「1階」はground floor、「2階」がfirst floorになる。 これに慣れない旅行者は、たまに迷うことがあるようだ。 日本はアメリカ式で、「1階」がfirst floorである。
服・生活
ズボンはtrousers、アメリカ英語はpants。 ゴミ箱はdustbinやrubbish bin。アメリカ英語はtrash can。 特に「rubbish」という単語はよく使われる。 アメリカ式のtrashやgarbageは、ほとんど見かけない。 また、公共の場にゴミを捨てることはlitterを使うが、これはアメリカ英語でも使うらしい。 「Don't litter(ゴミ捨て禁止)」は街中の注意で良く見かける。
休暇はholidayである。 学校のスケジュールには「Public Holiday」「School Holiday」などと表示されている。 アメリカではvacationだが、ここではあまり使われていない。 ただし、休暇届を出すような場合はleaveを使う。 例えば、年休はannual leaveである。
レストランで「会計をお願いします」というときは、イギリス英語ではBill, please. アメリカ英語ではCheck, please.
学校や教育関連
ペナンではシラバスなどで学年をYearやformで表す。 Year 1は小学校の1年、Form 1はセカンダリースクール(中学高校)の1年生だ。 これはイギリス英語からきている。 以前は小学校1年の方はStandard 1を使っていた。 イギリスでは見直しが行われ、現在は、Year1, 2, ..., 7, 8 と通しでYearを使って呼ぶらしい。 アメリカではそれぞれGrade 1, ..., 7と、小中高を通してGradeを使う。
試験前の勉強はrevision。これは「復習」の意味で使われ、アメリカ英語のreviewにあたる。 中高生の間でも「Have you done your revision?」というやり取りが聞かれる。
数学で注意したいのがtrapeziumとtrapezoidの違いだ。 イギリスでは台形(一組の平行辺を持つ四角形)をtrapeziumと呼ぶが、アメリカではこれがtrapezoidとなる。 さらに、イギリス英語でtrapezoidは、平行辺のぜんぜんない普通の四角形。これがアメリカ英語ではtrapezium。 つまり、意味が反対になって使われている。 これは、困る。
表記や発音の違い
「スケジュール」はscheduleだが、発音が違う。 イギリスでは「シュジュール」に近く、アメリカでは「スケジュール」となる。 マレーシアの私の同僚もイギリス式の発音を使う。
プログラムはイギリス英語でprogrammeと綴られている。 テレビ番組のガイドや学校の行事表などのことである。 アメリカ英語ではprogram。 ところが、イギリス英語でもコンピュータのプログラムの場合はprogramと書くのでややこしい。
「センター」はcentreと書かれる。アメリカ英語はcenter。 似たようなのに、劇場のtheatreとtheaterがある。 映画はFIlmで、アメリカ英語はMovie。 映画館はCinemaで、アメリカ英語はTheaterまたは、Movie theater。
お菓子の「ビスケット、クッキー」はbiscuitで、アメリカのcookieにあたる。 買い物カートはtrolleyで、レジ前に「Return trolley here」のような表示がある。アメリカではshopping cartと呼ばれる。
マレーシア独特の英語表現
マレーシア英語には、独特の表現が多く存在し、マングリッシュとも呼ばれる
代表的なのがlah。 語尾として使い、「Don’t worry lah」「Okay lah」など、親しみや柔らかさを加える役割がある。 日本語の「ね」や「よ」にあたる。例えば「心配しないでね」とか「オーケーだよ」のようなものだ。
can単独で「できる」「いいよ」という意味で使われる。 「Can I come in?(入ってもいいですか)」「Can, can.」という具合だ。 2回繰り返すことが多い。
last timeは「昔」「以前」という意味で、「Last time I always go there」のように現在形と組み合わせて使われることもある。 これは、イギリス英語にもアメリカ英語にもない使い方で、マレーシア以外では使わない方が良い。
MCは「病気での欠勤」を意味し、「I’m on MC today」などと使う。 これはmedical certificate(診断書)の略だが、証明書ではなく「病気による休み」そのものを指している。 イギリス英語やアメリカ英語ではsick leaveが病休になる。
uncle / auntyは年上の他人に対する呼びかけとして使われる。 日本でも「知らないおじさんについていっちゃいけません」のおじさんは伯父でも叔父でもない。 ちょうどそれと同じ使い方だ。 親しみと礼儀が込められた呼称なのだろうが、マレーシアオンリーである。
まとめ
以上のように、ペナンで生活していると、英語の「違い」と「多様さ」の両方を日々感じる。 イギリス英語が基本にありつつ、アメリカ英語やマレーシア独自の表現も混ざり合っているのが実情である。 実際、観光客でアメリカ英語を話す人もいるので、レストランなどではアメリカ英語も通じるのだ。
日常の言葉にも発見があることが多い。