マレーシア・ペナン島日記

マレーシアのペナン島での生活を通して見たこと、感じたことを発信します

教員対象の研修会

私の配属先では、今月(2024/5)、大きな研修会を実施している。 定期コースと呼ばれるこの研修会は年に2回あり、今年は5月と8月に各4週間行われる。 今回の対象は主にセカンダリースクール(日本の中学と高校を合わせた5年間または6年間の学校)の教員だ。 ただし、教員養成のカレッジの先生なども対象になっているので、必ずしもセカンダリーの教員だけというわけではない。 参加者は数学のグループと理科のグループに分かれ、別々に研修する。

研修のテーマ

今回のテーマはアセスメント(評価)だ。 評価というと、学期末の成績のことを思い浮かべる人が多いと思うが、むしろ、今回の研修では、通常の授業の中で生徒の理解度を把握する評価の方がテーマである。 これを形成的評価(formative assessment)という。 この評価は、次の授業に活かすこともできるし、生徒自身がその評価を自分の学習に活かすこともできる。 その意味では学期末の成績に直結する総括的評価(summative assessment)よりも重要だともいえる。

ワークショップ

研修会のワークショップはスペシャリストと呼ばれるポジションの職員が分担して行う。 私は、数学のスペシャリストの位置づけでボランティアをしているので、ひとコマ2時間の枠を割り当てられた。 テーマは日本の授業における日常の評価をどのように行い、それをどのように次の授業に活かしているかということだ。 日本の数学教育は他国と比べてかなり違うらしく、参加者のフィードバックを見ると、好感を持って受け止められたようである。

定期コースのワークショップ

日本の数学教育の特徴

以下は、現地のいろいろな人に聞いて、私自身が考えたもので、あくまで個人の意見だ。 日本の数学、算数教育の特徴はいくつかある。

  • 生徒に考えさせる、とくに公式の背景にある考え方について意見交換をさせる
  • 練習をたくさんさせる。例えば小学校のドリルなど、特に計算練習が多い
  • 中学、高校では証明を重視している。そして応用よりも論理的な側面を強調することが多い

海外ではセカンダリーの後半に電卓を使うことが多い。 それは、数学を現実世界の問題に応用するときに、電卓を使った計算が必要になるからだ。 海外では応用面を重視しているといえる。

PISAという数学などの学力の国際比較があって、日本は上位に位置している。 これは日本のこれまでの算数数学教育の良い部分が表れたものだといえる。 したがって、私の今後の活動ではいかにその良さを東南アジアの数学教育にシェアしていくかが大事になると思う。